幸せって、なに
どんどん興味が沸いてきて、
いない間にこっそり見てやろうと思った。

廊下を挟んだ向かいの部屋が
寝室になっている。
そっとドアを開けて、
電気のスイッチをつけた。

瞬間、美沙希の目に飛び込んできた光景に
思わず声をあげ気絶しそうになったが、

足早に近づいてしゃがみ、

手首から大量の血を流して
ベッドの横に倒れているお母さんを抱きかかえて

何度も大きな声で呼んだ。

「お母さん!しっかりして!死なないで!」 
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