幸せって、なに
 携帯の連絡先も変え、
二度と現れる事はなかった。

ガラーンとした部屋でひとり
傷心で暮らしていたところに
見ず知らずの娘が現れた。

寂しさを紛らわす為
毎晩のように飲み歩き、
この日も酔っていた僕を待ちわび、
介抱しながらなかば強引に部屋に入ってきた。

何故マンションを知っていて
部屋の前で待ち伏せしていたか
疑問に思いながらも追求せず、

優しい言葉をかけてくれ、
食事を作ってくれた娘が
友華と重なり思わず抱き締めた。

< 139 / 203 >

この作品をシェア

pagetop