幸せって、なに
「あったぞ。
鏡台の引出しの中に遺書が置いてあった。」

右手に封筒をしっかり持っていた。
表には母の字で遺書と書かれていた。

父が急いで開けると便せんが出てきて読みあげた。

{ごめんね、美沙希。
お父さんと離婚して十二年。
お母さんがここまで生きてこれたのは、
ここまで頑張ってこれたのは、
いとおしくて可愛い美沙希がいてくれたから。

これからも一生懸命ふたりで力を合わせて
暮らしていこうと思っていました。
でも、お母さんの不注意で
元山のおばさんに多大な借金をしてしまったうえ、
仕事もなくなり、
もうどうにもならなくなってしまいました。

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