幸せって、なに
「元山さんの借金て?」

父がびっくりして尋ねたので、いきさつを語った。
聞き終えるや否や

「ちょっと行ってくる。
美沙希はここに居るんだぞ。」
そう言って家を飛び出した。

そんな事言われたって
じっとしていられるはずがない。

きっと元山のおばさん家だと思い後を追った。
お父さんはチャイムを何回も鳴らしたり
ドアをドンドンと叩き、
開けるよう催促していた。

近所の住人が何人か出てきて、
騒音を注意する者や
夜の救急車の事を聞く者で
騒々しくなっていたが
父は無視して叩き続けた。
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