幸せって、なに
「近所迷惑よ。中で話しましょう。
おたがい言いたい事は山ほどあるでしょうから。」

父は玄関の中に入って行きドアは閉まった。

しばらく父が出てくるのを待っていたが、
なかなか出てこないので諦めて帰る事にした。

気がつくと近所の人達も退散していて、
さっきまでの騒々しさが
まるで嘘のように静まり返っていた。

ただ空に明るさをくれる月だけが
元山家の窓ガラスにいつまでも光を射し続け、
様子を伺っていた。
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