幸せって、なに
「私、晩御飯作ってくるね。
ふたりでゆっくり話して!」

美沙希は戸を開け、
振り向きざまにウィンクをして帰って行った。

父はしばらく黙って母を見つめ、
母の手を握ってただひとこと言った。

「意識が戻る為なら俺は何でもするよ。」


 入院してから一週間後の日曜日、
父が昼まで仕事に出掛けたので、
先に行った美沙希ひとりが看病している時に
近所のおばさん五人がお見舞いに来てくれた。

< 152 / 203 >

この作品をシェア

pagetop