幸せって、なに
動かぬ母の姿を見て胸をつまらせるおばさん、
及川さんと呼びかけてくれるおばさん、
あんなに元気だったのに信じられないと涙するおばさん、
ただ見ているおばさん、

反応はそれぞれだったが
母が早く元気になるようにと願う気持ちは同じだった。

しばらくして帰ったあと、
お見舞いにもらった花を花瓶にいけようとして
戸を開け廊下に出て歩いていると、
おばさん達が休憩所で話しこんでいた。

聞くとはなしに聞いていると、
母と元山のおばさんの事を話していた。

柱に隠れて今度は耳をそばだてて聞いた。

「元山さんがああさせたようなものよね。」

< 153 / 203 >

この作品をシェア

pagetop