幸せって、なに
 美沙希は夢中で走っていた。

《信じてたのに。信じてたのに。
いいおばさんだってずっと信じてたのに。》

何回も何回も心の中でそう叫び続けながら、
どうすれば裏切られた恨み、
母がああなってしまった恨みを晴らせるのか考えた。

 まず一つ目、

「おばさん!
私は本当の事を全部知っているのよ。
ティーカップは最初からひび割れていて絵画も偽物。
だから弁償なんかしなくていいのよ。
よくもお母さんと私を騙してくれたわね、
心の償い料として
こっちが二百五十万円請求するわ。」

怒り心頭でまくしたてる。

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