幸せって、なに
美沙希はおばさんに近づき言った。

「信じてたのに。
お母さんも私も、
おばさんがいい人だから、感謝してたから、
恩を仇で返してはいけないと、
償いする為にどんなに考え悩んだ事か。

なのに全くの嘘だったなんて。
お母さんはおばさんの言う事を信じて
あんなに悩み苦しんで
自殺までして弁償しようとしたのに。

許せない。

おばさんこそ死ぬに価する人よ。」

最後の言葉を言うと同時に右手を上げていき、
ナイフをおばさんの視界に出した。

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