幸せって、なに
「キャー!!。
み、美沙希ちゃんそのナイフは何なの?」

怯えながらも冷静さを装い
「もしかして、
キャベツの外側の要らない葉を切ってくれるのかしら。」

ひきつった笑顔で言った。

「そうよ、そのキャベツ貸して。」
左手を差し出すふりをしてサッと引っ込め

「そんなわけないでしょ。
お母さんは手首を思いきり切ったのよ。
おばさんに出来る?」

「悪かったと思ってるわ。
美沙希ちゃんとお母さんに
謝ろうと思っていたのよ。」

その表情はその場しのぎではなく真剣に見えた。
だが美沙希は全然許せなかった。

< 162 / 203 >

この作品をシェア

pagetop