幸せって、なに
「なに自分勝手な都合のいい事言ってるのよ。
人に嫌がらせする時は思う存分やっておいて、
自分が追い詰められる立場になると
途端に弱腰になって、
本当に最低だわ。」

にじり寄りながら、
おばさんに対して柄の方を向けていたナイフを
刃の方が向く様に持ち替えた。

「きゃー。」

おばさんの悲鳴があがると

「やめろ!!そんな事をして何になるんだ。」

美沙希が病院を出た直後、
見舞いに行った父が近所の人達から話を聞き、
あちこち探してようやく姿を見つけ、
駆けつけて発した。

「美沙希ちゃん!」
近所のおばさん達も心配して追いかけて来ていた。
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