幸せって、なに
父は美沙希の肩を抱きながら

「全ての元はお父さんのせいだ。
お母さんと美沙希をこんなに苦しませたのはお父さんだ。
恨まれるべきはお父さんなんだ。」

美沙希は今の言葉の意味が分からず父に聞いた。

「どうしてお父さんを恨まなきゃならないの?
お父さん悪くなんかないよ。」

父に連れられ美沙希は
近所のお寺の墓場にやってきた。

「美沙希の妹だ。」

父は小さな墓を指差してはっきり言った。

「えっ?」

美沙希は訳が分からなかった

「どういう事?美沙希はひとりっ子だよ。
妹なんていないよ。」
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