幸せって、なに
少し離れた場所から見ていた生徒にはそう見えて
得意気に話した。

「お前、よくもそんな場面に出くわせたもんだよ。」
「この学校にそんな恐ろしいやつがいたのかよ。
俺、殺されなくて良かった。」

美沙希の事を知らない男子が冗談半分で言った。

「だけど、何故押したんだ?」
クラスの男子が聞いた。

「お母ちゃんが言ってたけど、
及川のおばさん、
元山さんに借金してて返せなくて自殺未遂して、
その恨みじゃないかって。」

自分だけが知っている事が自慢で、
ますます得意気になって生徒は話した。

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