幸せって、なに
 引っ越しの準備に取りかかった。
何もかもが思い出に満ちていた。

机の引出しを開け、
携帯の充電器、ペンケース、
街でもらったポケットティッシュ、
可愛いキャラクターのメモ帳を
ダンボール箱に詰めていくと、

奥から古い色紙が出てきた。

小学三、四年の頃の物で、
母に教えてもらいながら
鶴を折る練習をしたものだった。

次に、本棚の整理をした。
教科書にノート、漫画に雑誌に
お気に入りの小説を順番に詰めていった。
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