幸せって、なに
 出産の翌日、
祖母がお見舞いに来るのを待ちながら
テレビを見て静養していた。

「まきえ、
もうしっかりした顔してて一番可愛かったよ。」

新生児の面会時間に合わせて産院にやって来て、
病室に入るや否やそう言った。

「ママったら、早くも婆馬鹿になってるわよ。」

テレビには
五歳位の女の子と両親が仲良く遊園地で遊んでいる姿が
映し出されていた。

「父親がいなくたって、
まきえはいい子に育つさ。」
祖母が、寂しそうな目で画面を見ていた娘に
勇気付ける様に言った。

「うん。ママと私の愛情いっぱい受けてね。」
テレビを消し、祖母の持ってきたバナナを食べた。
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