幸せって、なに
それから子供が産まれ美沙希と名付け、

いとおしさと可愛さに
ふたりとも夢中になり
幸せな結婚生活を送っていた。

だが、二年を過ぎた頃から
父は仕事が忙しいから会社に泊まると言っては
家に帰って来ない日が多くなり、

家に居ても何か考え事をしている風で
母や美沙希の事をあまり構わなくなっていった。

そんな父を不安に思いながらも
母は気付かない振りをして
子育てに熱中していた。

ある夜、
美沙希が熱を出しぐったりしている姿にうろたえた母が
父の携帯に電話すると出ないので
間を置いて掛けると、
今度は鳴っている途中で電源を切られて
意味がわからず
仕方なくタクシーで医者に走った。
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