幸せって、なに
「ごめんなさい。決して忘れてはいないわ。
母親ともどもよくしてもらったんだもん。
ただ、大きくなると」
そこまで言うとおばさんは遮って言った。
「わかってるわよ。それが大人になるって事だから。
あがってく?お茶くらい出すわよ。」
「いいんですか?お邪魔じゃ。」
「何遠慮してんのよ。
小さい時は言う前にあがり込んでて、
冷蔵庫の中覗いてたじゃない。」
「すみません。あの頃の私がここに居たら
叱ってやりたいです。」
ふたりは笑いながら居間にあがった。
何もかもあの頃のままだった。
みやげ物のこけしやグラスが並んだワインボードの上には
だんなさんがゴルフコンペで
三位になった時のカップが置かれている。
壁にはおばさんが描いたという
風景画が額に入って飾られている。
えらく自慢していたものだが、今見ても上手とは思えない。
きっと見る人が見たらいい作品なんだろう。
右横の柱を見た。
母親ともどもよくしてもらったんだもん。
ただ、大きくなると」
そこまで言うとおばさんは遮って言った。
「わかってるわよ。それが大人になるって事だから。
あがってく?お茶くらい出すわよ。」
「いいんですか?お邪魔じゃ。」
「何遠慮してんのよ。
小さい時は言う前にあがり込んでて、
冷蔵庫の中覗いてたじゃない。」
「すみません。あの頃の私がここに居たら
叱ってやりたいです。」
ふたりは笑いながら居間にあがった。
何もかもあの頃のままだった。
みやげ物のこけしやグラスが並んだワインボードの上には
だんなさんがゴルフコンペで
三位になった時のカップが置かれている。
壁にはおばさんが描いたという
風景画が額に入って飾られている。
えらく自慢していたものだが、今見ても上手とは思えない。
きっと見る人が見たらいい作品なんだろう。
右横の柱を見た。