幸せって、なに
その事でいさかいがあって以来
ますます父は外泊する様になっていった。

落胆していた母のもとに
ある日突然離婚届が送られて来、
幼な子を抱えどうしていいかわからず泣き続けていたが、

子供にばかり手を掛け過ぎて
父をおざなりにしていたんじゃないかと
母なりに原因を探し、
やり直したいと思いながらも
判を押して会社の住所に返送した。

父の真意がわからないまま。

それを聞いた美沙希は
父と話し合いを持たず
簡単に判を押した母を責めたが、

「好きだったから。
これ以上争ってお互いが傷つきたくなかったから。」

そう言う母を素敵だなとも思って
それ以上は何も言わなかった。

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