幸せって、なに
「今まで何でも話し合ってきたじゃない。
ふたりで助け合ってきたじゃない。
辛い事があるなら言って!
少しでも力になって助けてあげたいし、
幸せな事なら倍にして喜び合いたいのに。」
そう言って俯いた。

こんな悲しそうな母を見たのは初めてだった。

考えてみれば
隠す必要なんてなかったのかも知れないと思った。
お父さんは、
私にだけ隠れて電話してきた訳じゃないんだし。

「お母さん、ごめんね。
でもお母さんだって電話の事隠したじゃない。」
「それは…。」
「お父さんだったんでしょ?」
「えっ。知ってたの?」
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