幸せって、なに
「どう違うの?
お母さんは今もお父さんが好きで、
お父さんも好きで、
悪かったと思ったからやり直そうと思った。
だったら答えはひとつしかない。
違うの?」

「美沙希が言う様に、
きっちり簡単にひとつの答えが出せたら楽よね。
この十数年の年月というものは
そう簡単には解けないのよ。」

美沙希には分からなかった。
好きなら一緒になればいいのに。
何で駄目なの?

すき焼きのたれはすっかりなくなり、
鍋の中で肉と野菜が修復出来ない位に
焦げ付いてしまっていた。
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