幸せって、なに
まきえはこの世に来て
すぐ試練に出会いながらも
ひとりで頑張っているんだ。

なのにこの世に何十年もいる母親は
泣いてばかりで。
情けないと思った。

まきえが元気になった時
合わせる顔がないと思った。

そして考えた。

今出来る事、
それは母乳を搾る事だった。

まずは、乳腺を開かせる為の
おっぱいのマッサージを始めた。
すごく痛い、だけど母乳は出てくれなかった。

またくじけそうになった。

いよいよ退院の日、
普通なら赤ちゃんと一緒なのにひとり寂しく、
祖母と一緒に産院をあとにした。

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