一番星
 
黒澤進也のキャラは、掴めそうもない。





その日は、始業式の後、少しホームルームがあっただけだった。



その間、何度か黒澤進也を見たけど。



黒澤進也はほとんどずっと笑っていた。



何が嬉しくてそんなに笑えるのか、ききたいくらいの満面の笑みで。



最近心から笑うことが減っていたあたしには、衝撃的だった。






今、思えば――…


この時既にあたしは、気に掛け始めていたんだ。





…―黒澤進也という人を。
 
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