一番星
 
「ははっ……変な奴。」



黒澤進也はそう言って小さく笑うと、今度はあたしが何か言い返す前に用件を告げた。



「担任が呼んでたから、職員室行けよ、川村星織サン?」



何だか最後にさん付けで名前を呼ばれたのが、妙に皮肉っぽい。


だけど、何故か憎めない…。



「分かりました~。」



あたしも少し皮肉っぽく返事をし、職員室へと向かった。




黒澤進也と話すと、完全にペースが乱される。


第一印象…最悪だったろうな。



あたしは苛立ちを忘れて、そんなことを考えていた。
 
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