一番星
 
そのまま逃げて、教室近くのトイレに駆け込む。



息を切らしながら、少しずつ心を落ち着かせた。



…―あたし。


何やってんだろ。



きっとあの時職員室に居た人全員がそう思ったはずだ。



あたしにすら分からない。



黒澤進也の顔を見たら、何だか逃げたくなっただけ。


周りの目がどうでもよくなるくらい、逃げたい衝動に駆られただけ。



黒澤進也を見ていると、調子が狂うから。


…逃げた時点で相当調子は狂ってるんだけど。
 
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