エリート同期は意地悪がお好き

「俺が重役になるには、年齢的にもまだ早い。そう言ったのは社長、貴方だ。それなのに、なぜ、急に1年になったんですか？」

「…今回のことで、思い知ったよ」
「…」

「私一代で築き上げてきた会社だ。…そろそろ膿が出できてもおかしくない。会社に改革を起こさねばならないと思ったよ。佐々木専務が、筆頭だ。膿は全て出し切らなければならない。それは、私一人の力では無理なんだ。…司、お前の力を貸してくれ。そして、私がまだ元気なうちに、経営のノウハウを学べ。お前は必ずこの会社のトップに立つ男だ。…後1年で、腹をくくれ」

「…そんな事、急に言われても」

社長の言葉に、司は困惑顔。…そんな司を見た社長は、フッと笑う。

「…彼女が気になるか？」
「…え？」

「斎藤朱莉」
「…」

「…彼女を守る為に、今回、動いたんだろう？」
「…はい」

「…彼女は、お前が、TOJOUの後継者だと言うことを知ってるのか？」

社長の言葉に司は首を振った。