エリート同期は意地悪がお好き
…午後の仕事は、作り笑いを浮かべ、なんとかやり過ごした。

1時間だけ残業して、家路につく。

…家に帰って、どんな顔して司に会えばいい?いつもみたいに、笑って会える気がしない。

出て家に帰ってドアを開けると、中は真っ暗で、少しホッとした。…司はまだ、仕事中?それとも、社長のいる病院?

…当初に約束した通り、晩御飯を作り、一人きりの夕飯を食べ、司の分はラップをかけてテーブルに置いた。

…一人でお風呂に入って、しっかり髪を乾かして、ふと、時計に目をやると、午後11時。…司はまだ帰って来ない。

…私は一人、ベッドに潜り込み目を閉じた。…眠れない。…いや、寝ないとダメ。司に会わす顔がない。

そんな事を考えていると、いつの間にか眠ってしまった。今日は、精神的に凄く疲れたせいか。

…途中、薄っすらと目を覚ましたが、温かい温もりに再び深い眠りに誘われた。

…この温かさが、何よりも私を安心させた。
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