エリート同期は意地悪がお好き
カーテンの隙間から漏れる日差しが眩しくて、目を覚ました。

…ゆっくり目を開けて、固まる。

…いつの間に帰って来ていたのか?私を抱き締めてスヤスヤと眠る司。

…夜中に温もりに安心した。安心して、ぐっすり眠れた。

そのおかげで、目覚めがいい。

…司は、私の安定剤のようだ。

…そんな司は、私と同じではない。

…司は、TOJOUの跡取り。次期TOJOU社長になる凄い人。

私が傍にいてはいけない。

私なんかが傍にいたら、きっと、司の邪魔にしかならない。

…もっと早く、この事を知っていれば、司に近寄らなかったのに。同期のままでいたのに。

…こんなに好きにならなかったのに。

小さく溜息をつくと、司が起きないようにベッドから起き上がろうとした。

「…逃がさない」

その言葉に驚き、目を見開いた。

「……おはよ。…私、今日は、お出かけする予定だから、離してくれる?」

「…休日に、出かけた朱莉を見た事ない」

…え〜え〜そうですよ。私は出不精です。休日は、家でまったり過ごす派ですよ。インドアですよ。
< 132 / 172 >

この作品をシェア

pagetop