エリート同期は意地悪がお好き
「…私の事は気にしないで?司は、司がしなきゃいけない事を一生懸命やって」

そう言って微笑む…それに対し、司は浮かない表情。その表情の意味がわからなくて、首をかしげる。

「…気になる。朱莉の事」
「…へ?」

「お前一人にしとくと、変な男が寄ってくるから」
…心配してくれてるらしい。…それは、嬉しいけど、家に真っ直ぐ帰る私に、そんな心配はいらないと思う。

「…大丈夫だよ」
「お前はいろんな事に鈍い上に、やたらと道中声をかけられるから」

…それは、ナンパの事かしら?

「…大丈夫だって!ほら、仕事に戻って?美味しいご飯用意しておくから」

そう言うが、まだ司は心配な様で。

困った様に、笑うと。

「…東城、ちょっといいか?」
「…あ!部長が呼んでる!早く行って!」

渋々と言った感じで、ようやく司は私のそばを離れた。

…あれ以来、ナンパなんて、されてないんだから。…ホント、困った人。

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