エリート同期は意地悪がお好き
…これは。

出来上がった自分の姿を鏡に映し、思わず苦笑いした。

…フィッテングルームのカーテンをそっと開け、顔だけを覗かせる。

「…できた?」
「…うん、あのさ…これ以外のドレスじゃダメ?」

「…俺の見立てが気に入らないの?」
「…いや、そうじゃないんだけど」

「…じゃあ、何が気に入らないの?」
「…」

…不機嫌な顔の司。

…このドレスはとっても素敵。司らしいチョイスだと思う。でも、私にはちょっと、大人っぽ過ぎると言うか。

「あぁ、もう、じれったいやつだな!時間が無いんだよ。とにかく出てきて、一度見せてみろ。それからどうするか、かんがえればいいだろ?」

「あ!ちょっと、司!引っ張らないで…」
「…‼︎」

…私の出で立ちを見て、司は言葉を失い、固まった。

…ほらね。だからこのドレスは嫌だったのよ。…私は、子供っぽい。似合うわけがない。
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