エリート同期は意地悪がお好き
「…はい、…司、どうした?」

突然の俺の出現に、かなり驚いてる優。

「…朱莉から全部聞いた」
「…何も言わなくていいと、言ったのに」

そう言って、優は困ったように笑った。

「・・・何で無茶ばかりした?」
「私は私がしたいようにしただけですよ」

「自分の立場も顧みずか?」
「役得ってやつですかね?」


「…かっこつけすぎなんだよ」
「…最高にカッコいいでしょう?」

「…いつまで向こうにいるんだよ?」
「…最低でも5年ですかね」

「…もっと早く帰ってこいよ」
「・・・え?」

「競う相手がいないと、面白くないだろ?…なんのために、社長になったと思ってる」
「…自分の為でしょう?…そうだ。ここで一つ掛けをしましょう」

「・・・」
「私が5年より早く帰ってきたら、朱莉さんを貰い受けると言うのは?」
「バカか?!そんな事かけにできるわけないだろ?!」

「朱莉さんは、本当に可愛らしい人だ。相手が司じゃなければ、本気で奪いに行くのに」
「人を苛めて、遊んでんじゃねえよ」

俺の言葉に、優は、愉快そうに笑った。

「…5年後が楽しみですね。司が、私に負けないくらいの、最高の社長になってるといいのですが」
「…なっててやるよ」
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