エリート同期は意地悪がお好き

…司は凄く余裕なのに、私ときたら、ドキドキと心臓が煩くて落ち着かない。

ベッドの中、どうしても司の方を向けなくて、背中を向けたまま。

「…朱莉」
「…ん？」

「こっち、向いて」
「…無理…緊張しちゃって」

正直に自分の気持ちを打ち明ける。

「…じゃあ、無理やり襲うぞ」
「…⁈私が嫌がる事しないって言ったよね？」

驚いた私は、司の方に寝返りを打つ。
…でも、その焦りは取り越し苦労だったみたいで。

司はとても優しい表情で、私を見ている。

「…やっと向いた」
「…」

「…キス、してもいい？」
「…ぅ、聞かないで」

真っ赤な顔で呟く。

「…嫌ならしない」

…嫌がる事はしないって言った。それを守ってくれる司。

…恥かしいけど、司に触れて欲しいと思うのは本当だから。

「…キス…だけだよ？」