エリート同期は意地悪がお好き
そんな不穏な空気を破ったのは、黒川部長の携帯。

何やら急用が出来たようで、早々にランチを食べた黒川部長は、席を立った。

「さっきの事、いつでも相談にのりますからね」
「・・・え、は「何度も言わなくても、ありえません」

・・・・・。

流石の私も、司をキッと睨む。

「ただの会話なんだから、そんなムキにならなくてもいいじゃん」

そう言って、ランチを一口食べる。

「…ふーん、そんなに部署、移動したいんだ?」
「別にそう言うわけじゃ」

…実際、営業部以外の部署に異動したいなんて、思った事は一度もない。

「…俺がいる、営業部には、いたくないんだ?」
「…だから、違うよ。…司の傍が・・・いいに決まってんじゃん」

…どんどん尻すぼみになっていく。

・・・こう言う事を、堂々と言える性格じゃない。

上目遣いに、司を見れば、…今度は優しい笑みを浮かべていて。

…なんだか、何もかもが、バカらしく思えてしまう。


「・・・だよな?」
「…なっ?!」

その自信たっぷりな態度がなんだか腹が立つ!


「…俺も、朱莉の傍がいい」
「///!!」

・・・たった一言で、怒れなくなってしまう私は、どれだけ、司に惚れてるんだよと突っ込みをいれたくなる。
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