エリート同期は意地悪がお好き
問題ないけど、明るくなった部屋で、こんな格好で、ベッドの中とはいえ、耐えられそうにない。

私は恨めしそうに、司に目をやる。

「…仕方ないなぁ」

そう言って、ベッド脇にある服を私に手渡してくれた。

器用に布団の中で服を着た私は、やっと息が吸えた気がした。

「…シャワー、浴びてくるね」
「…んー」

逃げるようにバスルームに行き、服を脱ぐと、シャワーを浴びた。

「…‼︎」

…鏡に映った自分の体。その体のあちこちに、赤い花が咲いている。

よくよく見れば、服で隠れるか隠れないかの際どいところまでくっきりと付けられている。

嬉しいやら、恥ずかしいやら、困惑するやら…

バスルームから、リビングに向かうと、司はコーヒーを飲みながら、新聞を読んでいた。

その司をジトッと睨む。

「…何?」
澄ました顔で問いかける司。

「…司のバカ…つけ過ぎだよ」
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