エリート同期は意地悪がお好き
赤い顔を司には分からないようにそっぽを向いたまま言った。

「…ん?…あ〜」

一瞬何の事かと考えた司だったが、直ぐに理解したのかスッと立ち上がると、私の目の前までやってきて、私の顔を自分の方に向かせた。

「…他の男が、朱莉を取らないように、つけとかないとな」

そう言って微笑んだ。

「…仕事に支障が出る」
「…営業部は、男ばっかりだから、牽制には、丁度いい」

…、何を言ってもダメみたい。

…でも、愛されてるとはつくづく思う。

「明日の営業部の男どもの驚く顔が楽しみだな」

「もぅ!」

胸を叩くと、司は可笑しそうに笑った。

…案の定、月曜の朝。会社でのみんなの反応が驚く顔ばかりで…。

隠してるつもりだけど、どうにも隠しきれていないよう。
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