エリート同期は意地悪がお好き
「…斎藤さんがこの人事部に異動になったのは、全て専務の意向です。彼から貴女を引き離すためです」
私は言葉を失った。急な異動の理由がそれだったなんて。
「佐々木希さんは、東城司さんに想いを寄せている。…そんな佐々木さんと結婚すれば、上を目指し頑張っている彼に、専務という味方がつきます。つけば、怖いものはなくなる、そう思いませんか?」
「…」
黒川部長の言葉は最もだ。だけど、私や司の想いはどうする?
「…回りくどい事を言うのは止めましょう。一度しか言いません、よく聞いてください。…東城さんが、佐々木さんと結婚し、上を目指していくか。それとも、貴女を選びこの会社を追われ、何もかも失う。この二者択一なら、斎藤さんがどうすべきなのか、わかりますよね?」
「…ッ!」
…答えなんて、一つしかないじゃない。
私は、黒川部長を涙目で睨んだ。
「前者を選べば全て丸く収まる。…彼に佐々木さんがいるなら、私が斎藤さん、貴女を必ず幸せにしましょう。悪い話ではないと思います」
私は言葉を失った。急な異動の理由がそれだったなんて。
「佐々木希さんは、東城司さんに想いを寄せている。…そんな佐々木さんと結婚すれば、上を目指し頑張っている彼に、専務という味方がつきます。つけば、怖いものはなくなる、そう思いませんか?」
「…」
黒川部長の言葉は最もだ。だけど、私や司の想いはどうする?
「…回りくどい事を言うのは止めましょう。一度しか言いません、よく聞いてください。…東城さんが、佐々木さんと結婚し、上を目指していくか。それとも、貴女を選びこの会社を追われ、何もかも失う。この二者択一なら、斎藤さんがどうすべきなのか、わかりますよね?」
「…ッ!」
…答えなんて、一つしかないじゃない。
私は、黒川部長を涙目で睨んだ。
「前者を選べば全て丸く収まる。…彼に佐々木さんがいるなら、私が斎藤さん、貴女を必ず幸せにしましょう。悪い話ではないと思います」