おわりの音が響いた

 「何を止めることがある。二人とも我が一族が選んだモノ達。どちらにしてもわたくしに拒否権はない」

 申し訳なさそうなテンと溜息を吐くトギを見て、クレノは言葉を失った。

 今回のセツナの役目はコトワリかサダメどちらかの暗殺にあり、その役目が終わればまた投獄される。

 どんな理由どんな選考基準であろうとも一時的でしかない騎士達に、そこまで真剣に目くじらを立てる必要もなく、そしてこちらに拒否権もない。

 こちらの許可も取らずこの場に現れた時点で合流することは“決まっている”のだ。

 拒否権などないのだ、誰にも。

 何を決める権利もなく、何かを拒否すれば生きる権利を奪われる。

 それでなぜ同族の王の血を引いた純血と言えるのか。

 王位争いにすら加われない惨めな存在を嘆くことはないのかと、クレノは疑問に思ったが口にしない。

 
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