おわりの音が響いた
「良く眠りなさいセツナ。もしもその目が赤く腫れることがあれば私こそ心配で夜を過ごせない、わかるね?」
「はい、兄様」
「長い間肉体は離れた、それも時期に終わるんだ。怯える必要などないよ」
「それでも兄様、わたくしは迫られているのです。決断を」
「私は信じているよ。お前がどんな決断をしようともね。私を追いかけてくれる。お前は優しい子だからね」
頭をなでられ、膝にすり寄る猫の様に甘えるセツナとそれを愛でるコトワリ。
「…それよりも私が気になるのはね。私の可愛いセツナの周りがどうも雄臭いことなんだけどね」
コトワリの視線が扉の前で控えるトギとクレノに向いた。
「彼らを選んだのは兄様ではないの?若い娘までよこしておいて酷い人」
「知っていたらお前の周りに置いたりしないさ。また一族の害虫共が勝手に選任したのだろうね。お前がそんな意地悪を言うなんて寂しいよ。私が選んだというのは本気か?それなら今ここの扉前が赤に染まるだろうね」
「少し意地悪を言いたいことだってあります、わたくしはまだ幼い雛なのですから」
「そう。それなら雛らしくピヨピヨ鳴くんだね」
「兄様は酷い人。わたくしを困らせる」