おわりの音が響いた

 日が落ち切った真夜中。

 コトワリの住む城の真反対。

 一際目を引く大きな建物の中にセツナ達はいた。

 「サダメ様。セツナでございます」

 ある一室、中にはベッドに横たわるサダメがいた。

 入ってきたセツナには目もくれず、枕に顔を押し当てて唸った。

 「浮気者。僕が何も知らないと思ってるなら八つ裂きにしてやるんだから」

 扉前に立ち、腹の前で手を合わせてほほ笑むセツナ。

 トギ達は扉外で待機していた。

 「平気な顔しちゃってやな奴。ついさっきまで兄上とイチャイチャしてたのを僕が知らないとでも思ってるの?平気じゃないの知ってるくせに。どんだけ図太いのさ」

 「それなら嫌な三人目(セツナ)は消えましょうか?サダメ様」

 「兄上の臭いぷんぷんさせちゃってさ。匂い消しもしてこない獣なんか僕は嫌いだね」

 「嫌味なサダメ様。兄様とわたくしの密会を盗み聞きしておいて寂しがるだなんて狡い人」

 終始微笑みを浮かべるセツナを枕の隙間越しに覗き見ていたサダメが鼻で笑った。

 「いつまで立ってるつもりなの。それともここで僕を殺すの?」

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