おわりの音が響いた
仰向けに寝転がり自分の両胸を掴み天井を睨むサダメ。
「いい女にせっかくなっても、サラシまいて性別隠してたら意味ないな」
「性別を明かすのはまだ早い、サダメ様軽率な行動はわたくしを手放す結果になりますよ」
「脅すなよ。その口は嫌味しか言わないのか?」
「暗い牢屋の中でずっと思っていました。次に扉が開くときわたくしはどなたを見るのかと」
「どうせ一番は兄上だ」
「はい、一番は兄様でした。でも、その時の一番はサダメ様でした」
「悪くない話」
「わたくしが何かを恋しく思うとき、いつもサダメ様が傍にいてくださいます」
「良いね、僕だけを見てればいい。兄上なんか早々に退けて僕が王位を継ぐ。そしたらもう誰にも何も言わせない。セツナを僕のモノにする」
セツナの髪を結いながらサダメはほほ笑んだ。
「力じゃ僕が上だ。僕はセツナを解放し、王位を兄上に譲る。そうすれば皆幸せ。円満解決」
「…わたくしはサダメ様の性別が決まるまで投獄の身です」
「僕が性別を明かせばいい」
「どちらかの性別が決まる。それはすなわち王位の確定。わたくしが男の性を有すれば新たな火種を生むだけ」
「でも僕は女だ。セツナが男でなければ意味がない」