おわりの音が響いた

 「セツナ様、わたくしが男になればまた投獄されるのは見えています」

 「だめ、だめだめ。セツナは僕のモノだ。兄上のじゃない。僕のモノにならないなら僕はこのままずっと兄上と戦い続ける。セツナが男になるのがダメとか決めた一族も他の鬼も皆殺す。そしたら二人で生きられる。そうしよう。いい案だ。僕は強い、兄上より強い。それにセツナもいれば無敵だ」

 興奮したサダメはセツナの両肩を掴んだ。

 爪が肩にめり込み眉をしかめた。

 「…鬼が皆いなくなれば人間はわたくしたちを殺すでしょう。共存の関係と言っても力関係は明白。数億匹がたった二匹になった末路は想像するに容易い。そんな命の脅かされる生活はごめんです」

 「じゃぁ人間も殺す。それで解決」

 「二人だけの世界だなんて退屈です。サダメ様は強引な人」

 「わがままな奴。セツナは僕のモノになる気がまるでない」

 「今のところは、がつきます」

 「性悪」

 「サダメ様は難しい言葉を使われる」

 
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