おわりの音が響いた
鈴の音は悲報を伝える
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「どうかサダメ様を王に」
頭を下げる人々に曖昧な笑みを浮かべ、クレノは足早に店を出た。
「なぜ僕がセツナ様の従僕と知れ渡っているんだろうか」
「それはね坊ちゃん。お姫様が目立つからさ」
地面に届く程の長い髪を結いあげ、足には鈴をつけた性別不明の存在はただそこにいるだけでもよく目立つ。
傍に従者を三人もつけているとなればなおさら。
サダメの城を出て朝を待ってから人の村にきた。
食糧調達のためだ。
トギは好奇の目を向けてくる人の視線にうんざりしながら答えた。
人の王に会うためにはこの村を通らなければならない。
立ち寄る村々で好奇と恐怖の視線が向けられすでに慣れてしまっていた。
はじめこそおびえていたテンも慣れたかすっかり普通に話ができるようになっていた。
「主君様、きれい」