おわりの音が響いた
「っち…王がお待ちだ。ついてこい」
トギを睨み、男は背を向けた。
「お前、どうしたんだ」
「放っておいてくれ」
セツナが男についていくのを、三人も追った。
人の王の城は鬼の王の城とは決定的な違いがあった。
誰もが立ち寄れる場所、高い場所でもなく特別見つけにく場所でもない。
広さもさほどない、王の住む場所とは信じがたい程に見つけやすくたどり着くのに苦労がなかった。
大勢の従者に導かれるままに通された王の下、玉座と表すにはお粗末な椅子にふんぞり返る小太りの男は卑しく笑い四人を出迎えた。
「よくきましたねぇ、鬼よ」