おわりの音が響いた
「なるほど、八十年を生きても鬼はまだ若いらしい。見目だけでなくすべてが。隠し通せない秘密は持たぬことだな」
「…それは、つまり。そう言うことですか」
「何のことだ」
「ぁ…」
俯いたことで、後ろに控えるトギとテンもセツナの異変に気付いた。
「よく考えなさい、どちらが得か。ワシならたとえ男になったとしてもよきに計らってやれるだろうしな」
卑下な笑みにセツナが言葉を失う。
「よく考えて検討させていただきます」
クレノはセツナより一歩前へ出た。
「執事と言う概念が鬼の世にもあるのか」
「私は従僕です」
「まぁ、答えはすぐきけるだろう。下がれ」