おわりの音が響いた
「会いに来たこと、怒るなよ。僕のせいでセツナが傷ついているのを黙ってみていられなかったんだ」
「盗み聞きですか」
「僕はそれが得意みたいだ。憎まれ口はいい。セツナ、もうここにいるな。人は僕の味方だけど好意的とは言えない。僕を王の座に上らせ、操りたいだけだ。それにセツナが巻き込まれることはない」
「…サダメ様は操り人形に徹するつもりですか?」
「僕は王位なんていらない。セツナだけでいい。あとは兄上が何とでもする」
「兄様はそこまで見てくれませんよ」
「どうでもいい。責任感の強い兄上が同族を見殺すはずがないことだけは知ってる。セツナ、そんなことはどうでもいい。僕の城に囲ってやるからここを出よう」
「どちらかにつくことは戦いを生みます」
「どこの馬の骨にセツナを殺されたら僕は狂い死ぬ」
「わたくしは弱くありません」
「不意打ちされるかもしれないだろ」
「騎士が守ってくれます」
「僕が守る」