おわりの音が響いた
リンと鳴った
その音は悔いの音
ーー
悲報が届いたことに驚きを隠せなかった。
はじめに無事を心配し、次にセツナの顔が脳裏に過った。
想像通りすぐさま現れたらしいとの報告を受け、サダメの心は酷く乱された。
さも誇らしげに語る人の王は、自分のやった結果を自慢したいだけの様に見えた。
鬼の世の定めに土足で踏み込み、蹴散らし、荒らすだけ荒らし、満足の笑むその傲慢さが実に人らしい。
サダメが性別を明かす訳にいかないのにはいくつか理由があった。
体型を隠すゆったりとした服をまとい、足早に城を出た。
止める従者を蹴散らし、怒鳴り散らし、静止を振り切り重い扉をけ破った。
そこには傷を負ったコトワリと、静かに寄り添うセツナの姿があった。