おわりの音が響いた

 背後でうるさく喚き散らすコトワリの従者達を全て追い出し、目をはらしたセツナを抱きしめた。

 明らかに不愉快そうな釣り目がベッドから覗くも気にしない。

 「心配した」

 「どちらを?」

 問いただす目は、怒りを含んでいた。

 腕の中の小さな存在は、寄り添う相手の手を握り離さない。

 「情報に誤りがあったならただしてやろう。怪我を負ったのは私だ」

 「見ればわかるさ、死にぞこないが」

 「久しぶりに会う兄への態度か」

 立ち上がったセツナがサダメの服を整えた。

 「…サダメ様、見えています」

 「そんなに私が心配だったか」

 
< 34 / 49 >

この作品をシェア

pagetop