おわりの音が響いた
「おまえのせいで…さ、ない」
人混みをかき分け、包丁を持った女が一人。
セツナを睨んでいた。
「何者です」
前に出たクレノなど目もくれず、女は言う。
「わたしの息子は戦いで死んだ。なぜ鬼の問題に息子が巻き込まれなければならない!ゆるさない、ゆるさない!死になさいよ、死になさいよぁ!」
両手で包丁を握り、セツナを睨む女は泣いていた。
絶叫しながらの訴えにクレノを下がらせたトギが剣を構えた。
「…息子さんの名前は?」
「…アンダーよ。あの子は優しいこだった、戦いは強制的で拒否なんてできなくて、なんで…息子を返してよ!」
「アンダーは死んだ、もう帰らないんだよ」
トギの言葉に女が息を飲んだ。
「…身体も帰らなかった…大きな爆発に巻き込まれたからって…こんなことが許される?どうしてあの子が死なないといけないのよ」