おわりの音が響いた

 「人は弱い、鬼に勝てると言ったのは人の王だ。恨むならそっちをうらみな」

 「初めに戦いを仕掛けたのは鬼の方よ!」

 「一族の問題に人が勝手に介入してきたんだ。力欲しさにね。悪いのはそっちだ」

 「じゃぁ息子はどうなるの!?」

 「死んだんだろ?もういない」

 「どうして・・・どうして!」

 「…やめろ、酷いことを言うな」

 トギの剣を持つ手を下させ、クレノが女の前に出た。

 「失礼をお詫びします。息子さんが安らかに眠れますように」

 俯いた女に、テンは何かを思い出したようにトギの剣を奪った。

 「あの、これを」

 その剣を自身の肘につきたてた。


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