おわりの音が響いた

 ゴトリ。

 重たい何かが地面に落ちたのを、女は脳内で処置できなかった。

 右ひじの先、が床に落ちている。

 切断面はすぐさまふがった。

 赤く染まった剣をトギに返し、テンがほほ笑んだ。

 「だいじょうぶ、すぐ生える」

 宣言通り、別の生き物の様にテンの右腕が再生した。

 同時に、周囲が悲鳴に包まれる。

 「な、なにを」

 恐怖に固まる女に腕を差し出しながら、テンがほほ笑んだ。

 「つぐない、イライラしたらこれを切り裂いたらいい」

 自分の腕を女に差し出すテンに、女は首を振った。

 「いや、こないで」

 「はい」

 「いや!」

 
< 42 / 49 >

この作品をシェア

pagetop