おわりの音が響いた

 弾かれた腕が再び地面に落ちる。

 「あ、落ちた」

 再び拾うテンに、女が悲鳴交じりに言った。

 「ばけもの、ばけものぉ!」

 化け物(自分とは違うモノ)

 人とは違う長さで生き、人とは違う再生能力を持ち、その中には性別すら有さない。

 人間とはかけ離れたその異質さと不気味さを込めての言葉に、テンは首を捻った。

 「…ばけもの、ちがう」

 
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